・裾上げ方法を教えて!
こんな疑問にお答えします。
この記事の内容
- 【実はやさしい】コート類の裾上げ、ダントツで簡単なのがトレンチ
- 裏地なしトレンチの裾上げ方法
最近のお洋服は、Tシャツやスカートなど、ロング丈のものが非常に多く出回っていますよね。
体型を隠せるので私としても大歓迎なのですが(それにあぐらをかいてはいけないと思いつつ・・)、
このロング丈、ものによっては長すぎると感じる場合がありませんか?
トレンドといえど、その着丈が長すぎると(短すぎてもですが)全体のバランスが悪くなりますし、着心地にも支障をきたしかねません。
「あとちょっと丈が短かったらなぁ・・・」
そんなとき、自分で好みの丈に裾上げできたらとっても便利です。
この記事では、トレンチコートを裾上げする方法をご紹介します。
わりとサクッと出来ちゃいますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【結論:意外と簡単】トレンチの裾上げって難しい?
結論から言うと、トレンチコートの裾上げは案外簡単です。
なぜかというと、
簡単な理由
- 裏地なしのデザインが多い
- 綿やポリエステルなど、扱いやすい素材のものが多い
トレンチコートの着用シーズンは一般的に春秋です。
なので、裏地なしのデザインのものを多く見かけます。
この裏地がないというだけで、段違いに裾上げの作業がしやすくなるのです。
また、トレンチコートの素材についても綿やポリエステルなど扱いやすいものが多く、また、生地の厚みも冬物のコートのような分厚さはありません。
そういった理由から、コート類の裾上げの中でダントツで簡単だと言えるでしょう。
不安な場合は無理せずお直し屋さんに依頼するという選択も
ただ、トレンチコートがダントツ簡単だといっても、そのデザインや価格帯はさまざまです。
裏地やライナーが付いていて複雑、高額だったり、お気に入りだから絶対失敗できない、などなど、人によって事情もさまざまです。
ご自分で行う裾上げに強い不安がある人は、無理せずお直し屋さんに相談してみるというのも、ひとつの手です。
まずはこの記事の裾上げ方法を参考にしていただき、ご自分のコートは出来そうかな?と見比べてみてください。
前置きが長くなりましたが、次は肝心の裾上げ方法に付いてご説明します。
裾上げ方法
今回はこちらのトレンチコートを裾上げします。
コートの仕様
- 裏地なし
- ベンツなし(両サイドスリットあり)
- 素材(綿・ポリエステル)
- 厚み(普通)
用意する道具と材料
特別なものは必要ありません。道具と材料は以下の通りです。
必要なモノ
- 基本的な裁縫道具(ハサミ、糸切りバサミ、定規、チャコペン等)
- ミシン糸60番
- ミシン針(11番または14番)
ミシン針の太さについては生地の厚みで判断します。
柔らかく薄め~普通厚の生地なら11番で大丈夫でしょうが、硬めでやや厚みのある生地であれば14番をご用意ください。
丈を決める
裾上げする丈は、実際に着てみて、バランスをよく確認しながら決めます。
「このくらいがいいかな」と思う長さに裾を折ってピンなどでとめるとよりわかりやすいです。
ピンが怖い人はクリップなどを使ってもいいです。
裾をカットする
今回のトレンチコートですが、裾部分はこんなかんじです。
裏地なし、両サイドにスリットあり、ベンツなし、です。
まず、出来上がりに縫い代分を足した長さで、裾をカットします。
例えば、今回は10cm裾上げします。
そして、そこに縫い代分3.5cmを加えます。
そうすると裾から6.5cmの位置がカットする箇所となるわけです。
カット線=出来上がり線+縫い代 です。
出来上がり線で切ってしまわないよう気をつけます。
前端(見返し)の縫い目をほどく
前端(見返し)の縫い目をほどきます。
今回の縫い代を踏まえた目安にはなりますが、縫い目5cm・ステッチは7cm程度ほどきます。
ほどく長さが足りないようなら適宜ほどいてください。
スリットの縫い目をほどく
サイドのスリットの縫い目をほどきます。
今回の縫い代を踏まえた目安にはなりますが、5cmほどほどきます。
前脇2カ所、後ろ脇2カ所の合計4カ所ほどきます。
裾を三つ折りにアイロンする(前身頃・後ろ身頃とも)
前身頃の裾をアイロンで1cm+2.5cmの三つ折りにします。
前見返しの裾は出来上がりにアイロンで折ります。
後ろ身頃も、前身頃同様アイロンで三つ折りにします。
あると便利
アイロン定規があると裾上げが早く、正確にできます!
【コツあり】見返しの裾を処理する
見返しと前裾を縫い合わせます。
ポイント
出来上がりよりわずかに短く縫うことを、洋裁用語で「控える(ひかえる)」と言います。
控える理由は、裏布が表から見えないようにするためです。
今回で言うところの、見返し布ですね。
逆に、前身頃の裾は、出来上がりより2mm長く縫います。
裏で2mm短くした分、表を2mm長くすることにより、出来上がりの長さが変わることなく裏側(見返し布)が表に見えないようにする技法です。
見返しなど、裏布との縫い合わせがある場合によく使われる技法ですので、覚えておくと便利です。
見返しは2mm控え、前身頃は2mm出した状態でマチ針で止めます。
縫い始めと縫い終わりは返し縫いをします。
縫ったあとは、
余分な縫い代をカットします。
見返し裾の縫い代は全て短くカット(8mm程度)し、
前身頃裾は見返し幅の途中から自然に見返し側と合流するようにカットします。
次に、角の縫い代もななめに切り落とします。
下記の【角を切り落とすコツ】を参考にしてみてください。
角を切り落とすコツ
- 角周辺を縫い目ちょうどに折り返してアイロンする
- 折り目を開いたら、5mm残して角を切り落とす
こうすることで、角の返しがきれいにやりやすくなります。
角周辺の縫い代を再度たたみます。
見返しと前身頃の間に手を入れ、指で角の縫い代を押さえながら表に返します。
目打ちの先端を使って角を出し、形を整えます。
布地を傷つけないように注意
ぐいぐい引っ張ったり、目打ちを深く刺してぐりぐりするのはNGです。
布地を傷つけないように少しずつ整えます。
ここで、先ほど裾で行った「2mm控えて2mm出す」という作業が生きてきます。
前端はちょうどから始め、あとは自然に見返しを2mm控えてアイロンをかけます。
裾を縫う
前身頃、後ろ身頃とも2.3cm幅で裾を縫います。
2.3cm幅と細かいこと言いましたが、要するに縫い代側を見ながらキワを縫ていけば大丈夫です。
スリットを縫う
前身頃、後ろ身頃ともスリットを縫います。
ほどいた縫い目から1~2cmかぶせて縫います。
縫い始めと縫い終わりは返し縫いします。
完成
おつかれさまでした。
まとめ
今回は、裏地なしトレンチコートの裾上げの方法をご紹介しました。
見返し以外はほぼ三つ折りで仕上がってしまうので、とても簡単です。
ぜひ参考にしてみてください。