こんな疑問はありませんか?
水通しするものによって目的や意味が異なってきますが、
今回はハンドメイド製作の際の、生地の水通しについてお答えします。
この記事の内容
- 水通しとは何か?
- 水通しが必要な生地とは?
- 入園・入学グッズを日本製の生地で作る場合、水通しが不要な理由とは?
- 正しい水通しの方法とは?
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入園・入学グッズを日本製の生地で作る場合、水通しはしなくてOK
結論から言ってしまうと、
入園・入学グッズを日本製の生地で作る場合、水通しはしなくてOKです。
それはなぜか?理由は以下で順を追ってご説明していきます。
ただ、水通しに関しては生地の状態や作るものによっても色々な意見があります。
私自身も悩んで調べたり、実際にたくさん作っていく中で感じたこともシェアしながら説明していきます。
そもそも水通しって何?
水通しとは、作品の製作前に生地の状態を一度水にさらして整える下準備のことを言います。
通常は裁断前のまっさらな生地の状態でする作業です。
水で縮みやすい、色落ちが心配な素材の場合に、水通しをします
では、どんな生地に水通しをするかというと、前述のとおり水で縮みやすい、色落ちが心配な素材の場合に水通しをします。
具体的な素材はこちらです。
綿やリネン等の麻素材、ガーゼ
せっかく作った作品が完成後に洗濯等で縮んでしまったら悲しいですよね。
特に縮みやすい綿や麻、ガーゼの素材は一度水通しをしてある程度縮ませてから製作すると、寸法が狂ってしまうのを防げる、というわけです。
色の濃いデニム地など
濃色のデニム地などの色落ちしやすい生地も、水通しをしておくと安心です。
お洗濯での色移りはもちろん、外出先の雨でお洋服等に色が移ってしまったら困りますね。
ポリエステルなどは水につけても縮まないので、水通し不要
逆を言えば、
水に浸けても縮まない生地は、わざわざ水通しする必要はないということです。
衣類等にもよく使われているポリエステルなどの化学繊維がその代表です。
水通しできない生地もあります
むしろ、水に浸けてしまうとかえって素材がダメになってしまう生地もあります。
レーヨン等の化学繊維、シルクや毛の素材など、水に浸けると本体の素材の風合いを損なってしまうものは水通しを避けましょう。
私は昔レーヨン100%のブラウスをうっかり洗濯でガラガラしてしまい、子供服サイズほどに縮んでしまって着られなくなてしまった経験があります(泣)
縮みやすい・色落ちしやすいからといってなんでも水通しできるわけではないということですね。
日本製の入園・入学向けの生地の水通し不要の理由
さて、冒頭でもご説明した入園・入学グッズ作りにおける生地の水通し不要のご説明をします。
理由は2つあります。
1国内メーカーの生地の場合、極端な縮みや色落ちの心配がありません
入園・入学向けの生地の代表といえばオックスやキルティングですが、それらは綿素材(キルティングは中綿に関してはポリエステル)が多く見られます。
現在の国内メーカーの生地は作りがしっかりしていて極端な縮みや、色落ちの心配がほとんどありません。
私も実際に日本製の生地で作ったものを何回か洗濯していますが、目に見える縮みを感じた事や、経年以外での色落ちを感じたことはありません。
2入れるものに対して余裕を持ったサイズで作るので、多少の縮みは問題ない
そもそも入園・入学グッズの袋物は、通常は入れるものに対して大きめのサイズで作ります。
そのほうが物の出し入れがしやすく、子どもも使いやすいからです。
このブログでもレッスンバッグやシューズバッグの作り方をご紹介していますが、実際に入れるであろう物に対して余裕を持たせたサイズで作っています。
なので、1~2cm程度の縮みであれば、問題はありません。
水通しが必要かどうかは、作るものや目的によって異なります。
バッグのわずかな誤差も気になる、寸法をきっちり維持したい場合や、また、お洋服を作る際などは、水通しをおすすめします。
生地屋さんによっては縮みやすい生地は購入前に言ってくれることも
生地屋さんに出向いて生地を購入する場合、値札に縮みやすい・色落ちしやすいことが書いてあったりすることがあります。
また、生地を切ってもらう際に店員さんから
「これは外国製の生地で、すごく縮みますけど、どのくらい切りましょうか?」
と親切に言ってくれるお店もあります。
その際はどのくらい縮むか・色落ちするかをよく確認してから購入するようにしましょう。
水通しの方法
では最後に、正しい水通しの方法をご紹介します。
生地が長い場合はカットする
※これは必須ではありません。
生地が長すぎる場合はやりづらいのでカットします(用尺が足りなくならないように注意)。
生地の切れ端(耳以外のカット部分)をほつれ止めする
※これも必須ではありません
生地の切れ端がほつれて裁ち合わせに影響が出るようなら、ロックミシン等のほつれ止め処理をします。
少量の水をかけて、にじみ等の色落ちがないか確認する
まずは少量の水をかけてみます。
この時点でにじんだりするようでは、完成後の洗濯等にはとても耐えられないので、粗悪品ということになります。。。悲しいですが諦めましょう。
清潔な洗面器(またはバケツ)に水を入れて、きれいに畳んだ生地を浸ける
洗面器(またはバケツ)を用意します。
普段から家で使っているもので問題ないですが、容器は汚れをきれいに落とした清潔な状態にしましょう。
洗面器(またはバケツ)に水を入れ、生地をきれいに畳んで容器に浸けます。
素材別つけ置き時間
- ガーゼ・・・30分
- 綿・・・1時間
- 麻・・・4~5時間
上記の時間を目安に水に浸けます。
脱水する
所定の時間水に浸けたら、脱水します。
脱水するときは生地を畳んだ状態のまま手のひらでぎゅっと押すように水を絞ってください。
雑巾搾りはNGです!
脱水機にかける場合はごく短時間、軽くかけてください。
はじめから洗濯機でガラガラ洗う、は絶対NGです!
生乾きの状態になるまで陰干しする
しわを伸ばして陰干しします。
生乾きになったら取り込み、乾き切る前にアイロン作業に入ります。
アイロンをかける(地直し)
生地の歪みを確認します。
生地を正バイアス(斜め45°)に引っ張りながら歪みを整えて、アイロンがけします。
ちなみに、地直しってなに?と思った人は、
生地にひと手間『地直し』とは?「必ず必要な作業なの?」「地直しの方法は?」綺麗な作品づくりのために役立つ知識。
をご覧ください。
以上で、水通しは完了です。
まとめ
今回の記事は水通しの必要性や方法のご紹介でした。
入園・入学グッズ生地の水通しは無くとも、
裁断前には地直しと言って生地のアイロンがけをしますのでそれだけでも十分ですし、
地直しも必要ない生地の場合はスチームでのアイロンがけをするだけでもしっかり整いますよ。