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【チェーンステッチとは?】ジーンズの裾上げの種類。シングルステッチとの違いとメリット・デメリット。

ネイビーちゃん
ジーンズの裾上げで聞く「チェーンステッチ」って、なに?他の裾上げとの違いは?

 

こんな疑問にお答えします。

 

この記事の内容

  • チェーンステッチとは何か?
  • チェーンステッチのメリット・デメリット
  • チェーンステッチの仕組み
  • 家庭でチェーンステッチがやりたいときは?

 

ジーンズの裾上げと言っても、その仕上げ方にはいくつか種類があります。

 

前回の記事で取り上げたGUでも裾上げ方法が5種類程あります。

→GUの裾上げについてはこちら

 

その中でも今回は、ジーンズの裾上げによく聞く「チェーンステッチ」についてご説明します。

 

チェーンステッチの特徴を知ることで、ジーンズのオシャレの幅がグッと広がります。

 

チェーンステッチとは?

 

チェーンステッチは、日本では環縫い(かんぬい)とも呼ばれてます。

 

ではまず、「チェーンステッチ」の特徴をご説明します。

 

:裏側の縫い目が鎖(チェーン)のように見える縫い方

 

チェーンステッチとは、その名の通り縫い目が鎖のように見える縫い方を言います。

 

:表の縫い目はシングルステッチと同じ

 

チェーン状になっているのはあくまで裏側です。

 

なので、表からの見た目はシングルステッチ、つまり直線縫いと同じです。

 

 

:チェーンステッチ専用の機械が必要

 

チェーンステッチは専用のミシンが必要です。

 

ステッチの構造自体が通常のミシン縫いと違いますので、本縫いミシンではチェーンステッチを縫うことはできません。

 

ちなみに、チェーンステッチの仕組み、それが出来るミシンについては後ほどご説明します。

 

チェーンステッチのデメリット

 

 

では次に、チェーンステッチのデメリットです。

 

:簡単に解けてしまう

 

ステッチの切れた糸を引っ張ると、スルスル〜っと簡単に解けてしまいます。

 

そういった意味で、シングルステッチより強度は低いです。

 

チェーンステッチ最大のデメリットはこれです。

 

解く目的があるときは気持ちいいんですが(笑)

例えば出先で引っ掛けてスルスル〜っとなってしまったら困りますよね。

 

:専用のミシンが必要なので、裾上げ料金が高め

 

先ほどの特徴でも書いた通り、チェーンステッチには専用のミシンが必要です。

 

家庭で気軽に出来るものではない、となると、出来るお店に依頼することになります。

 

前述の理由で、シングルステッチよりチェーンステッチの方が高い料金設定であるのがほとんどです。

 

※例えばGUでも、チェーンステッチは裾上げサービスの中で一番高い料金設定です。

→詳しくはこちら

 

 

チェーンステッチのメリットと必要性

 

 

ネイビーちゃん
すぐ解けるし、表が直線縫いと同じなら、わざわざチェーンステッチにする必要ってあるの??

 

そう思いましたか?

 

チェーンステッチのメリットと必要性は、ちゃんとあるんですよ。

 

:折り返した時にステッチが目立つ

 

糸が絡んでいるぶん、シングルステッチに比べてチェーンステッチは線が太く見えます。

 

ですから、折り返したときに目立ちます。

 

よりステッチがジーンズのアクセントになる縫い方と言えます。

 

:伸縮性がある

 

鎖のように編んでいるチェーンステッチは、伸縮性があります。

 

伸びないデニムはもちろん、ストレッチ性の高い生地にも馴染んでくれます。

 

いまはよく伸びるジーンズも好まれていますから、機能面でも需要が高いステッチです。

 

:【最大の魅力】立体感のあるアタリが出る

 

チェーンステッチ最大の魅力は「アタリ」ではないでしょうか。

 

アタリ」とは、生地の凹凸による擦れなどによって出来てしまう、部分的な色落ちのことを言います。

 

でも書きましたが、チェーンステッチには伸縮性があります。

 

それが穿き込んで洗いこむほど、糸の縮まりなどが起こり、裾の生地の波打ち(凹凸)が大きくなります。

 

そうすると、擦れなどが起きやすくなり、画像のような部分的な色落ちが顕著に出てくるというわけです。

 

通常のお洋服では、このアタリは良しとされることはありません。

 

一般的な洋服と違って、穿きこむほど良い味が出てくるといわれるジーンズ

 

ですがジーンズに関しては、この立体感のある「アタリ」が、ジーンズの経年変化を楽しむポイントのひとつとなっています。

 

おまけ:長い距離を縫うのに便利なチェーンステッチ

 

これは完全に縫製者目線なので、着用者には全く関係のないお話です。笑

 

長い距離が縫えるチェーンステッチは、生産効率が高いです。

 

シングルステッチと呼ばれる直線縫いは、上糸と下糸を交差させて縫います。

 

この下糸を収納する部分(ボビン)はさほど大きくはありません。

 

当然、下糸の長さ以上は縫えませんので、その都度下糸交換が必要になります。

 

家庭用ミシンの上糸と下糸のボビン

 

画像は家庭用ミシンの上糸とボビンですが、これだけ糸の長さに差があることがわかると思います。

 

一方、ジーンズで使われるチェーンステッチは二重環縫いと呼ばれる種類ですが、

その下糸は上糸と同じ糸の状態で使うことが出来ます。

 

それがなにかというと、下糸交換の回数がかなり減ります。

 

長い距離もガンガン縫えるというわけです。

 

こうした縫製面でも、理にかなっている縫い方なんですね。

 

チェーンステッチの仕組み

 

ネイビーちゃん
スルスル解ける縫い方って、どんな仕組みなの??

 

そう思った人もいるのではないでしょうか。

 

チェーンステッチの仕組みを絵で表すと、次のようになります。

 

断面図

 

このように、糸を輪っかにして絡み合わせていくので、スルスル〜と解けていくのです。

 

 

ちょっとイメージつかない・・・という人のために、こちらの動画もどうぞ。

 

 

こちらは1本糸のチェーンステッチ(単環縫い)ですが、原理は同じです。

 

動画後半はシングルステッチの動画になっているので、違いが比較できてわかりやすいです。

 

 

自分でやるためには、家庭用カバーステッチミシンが必要

 

チェーンステッチは家庭で気軽には出来ない・・・と序盤で書きましたが、

 

実は家庭でも出来る方法があります。

 

それは、カバーステッチミシンを使うことです。

 

 

カバーステッチミシンとは、既製品のTシャツなどの裾やえりぐり、裾などに使われている縫い方ができるミシンです。

 

 

画像のような裾始末、よく見かけませんか?

 

表が直線縫いで、裏側がロックミシンのようなかがり縫いになっている縫い方です。

 

ニット製品によく使われていますね。

 

カバーステッチミシンは工業用だけでなく家庭用も販売されています。

 

このミシンがあれば、自分でもチェーンステッチの裾上げが出来ちゃいます。

 

ただ、家庭用とはいえ精密機器なので、

たまの裾上げだけのために購入するには尻込みする金額です。

 

普段お裁縫をされる人や、ジーンズやパンツをたくさん裾上げする人は、購入を検討してみてもよいかもしれません。

 

→楽天でカバーステッチミシン(2本針)を探す

 

まとめ

 

今回はチェーンステッチの特徴とメリット・デメリット、そして仕組みから家庭でやる方法まで、掘り下げてご紹介しました。

 

裾上げ選びの参考にしていただけたら幸いです。

 

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