こんな疑問にお答えします。
この記事の内容
- 子ども用ニットパジャマの作り方
- 簡単に作れる子ども服の本の紹介
こんな方におすすめ
- ニットパジャマの簡単な作り方を知りたい
- 通常のミシンしか持っていない
前回の記事【製図なし超時短】ベビー子供パジャマの型紙を作る方法【ニット専用】では製図なし型紙作りをご紹介しました。
今回は、その型紙を使ったパジャマの作り方をご紹介します。
型紙作りの段階でパーツを削ぎ落として簡単にしているので、それだけでも作りやすくなっています。
そして縫製面でも、効率の良い縫い方を覚えると短時間で作れるようになります。
他のこども服も作ってみたい意欲が湧いた人のために、簡単に作れる本もご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
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【子供服のアクセント】貼り付けポケットの作り方とアップリケ装飾の方法
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【製図なし超時短】ベビー子供パジャマの型紙を作る方法【ニット専用】
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普通のミシンでニットソーイング
ニットソーイングには、特別なミシンが必要だと思っていませんか?
俗に言う4本糸のロックミシンや、カバーステッチミシンです。
もちろんこれらのミシンを使えば、さらに効率良く綺麗に仕上げることができます。
4本糸ロックは地縫いと端かがりが同時に出来るので時短になりますし、カバーステッチミシンはTシャツの衿ぐり裾上げが既製品のように仕上がります。
ただ、ミシンは精密機器なので値も張ります。
これらを購入してまで作るかどうかは判断が分かれると思います。
今回の型紙作りからのテーマは、【手軽に子ども服を作る】なので、基本的なミシンを使った作り方でご紹介します。
通常のミシンでも綺麗に作れるので、安心してください。
もちろんロック、カバステ持ってる人は使ってもらったらさらに時短です。
必要な材料
必要な材料
- ニット生地・・・必要な用尺は以下で説明
- ミシン糸・・・レジロン50番
- ミシン針・・・ニット用11号
- ニット用接着芯・・・10cm程度(ストレッチ性のあるもの)
- 伸び止めテープ・・・1.2~1.5cm幅を20cm程度(上記芯地を細く切ってもOK)
- 2cm幅ウエストゴム・・・適量(使っているズボンの長さ)
今回使った生地
生地のお店 Le Sucreさんはニットのオリジナルプリントと無地のお店です。
上質な生地とプリントが素敵で、今回の生地はとても縫いやすいです。
パジャマ自体の形はいたってシンプルなので、ハロウィン感は生地の色と柄に丸投げさせてもらってます。
おかげで誰が見てもハロウィンパジャマになりました。 笑
こういった季節柄のオリジナルニットプリントを扱っているところも魅力的なお店です、季節柄のニットって意外と売ってないんですよ。汗
クリスマス柄なんかもかわいいです。
ニット用ミシン糸・ミシン針
レジロンはニット用のミシン糸で伸縮します。ナイロン特有のツルッとした手触りの糸です。
ミシン針もニット用のものを使います。
接着芯
ニット生地なので、袖口・裾はなにもしないまま縫うとヨレてウネウネします。
それが嫌な人は接着芯を貼りましょう。
ウネウネが気にならない人は貼らなくてもOKです。
今回はダンレーヌ芯地を使っています。
ストレッチ性のある柔らかい芯地で、ニット生地に適しています。
ダンレーヌ、貼りやすくてめっちゃ縫いやすいです。
生地の用尺を計算する【生地幅に注意】
生地にはいろいろな幅があります。
同じ型紙でも生地の幅によっての必要な長さ(用尺)は変わりますので、確認してから購入します。
このパジャマの型紙1つにつき各2枚ずつ裁断しますので、基本的には生地を半分に折り、2枚重ねで裁断します。
なので、例えば幅100cmの生地であれば、半分の50cmの幅でこの3枚の型紙を収めるように配置する必要があります。
無駄なく配置することで使用する生地量も少なく、材料費のコストも下げることができます。
ただ、生地の幅は限られています。
例えば、画像のようにすべて横並びに配置できれば最小限の生地量で済みますが、この型紙の場合、横並びにした端から端までの長さが75cm程あります。
横並びに生地を取ろうとすると150cmの生地幅が必要になります。
今回の生地は105cm幅なので、これだと入りきらないですね。
なので、型紙をずらしながら配置していきます。
柄に上下がある場合、型紙を逆さに配置できないので注意です。
その結果、幅105cmを1m使用する配置になりました。
ベストな生地購入の流れ
①:作りたい生地を探す
②:【購入前】その生地幅に合わせた型紙配置を考え、必要な用尺を出す
③:生地を購入する
上記の手順を踏むと、無駄なく生地を購入することができます。
取り扱いが多い100cmの幅で出してみて、実際それ以上の幅でしたら問題ないですし、それより狭い幅の場合はズボンの丈の2倍の長さの用尺にしてみてください。
繰り返しますが、一番無駄がないのは生地を決めてから用尺を出して購入、です。
生地の下準備をする
裁断前に生地の状態を確認し、必要に応じて水通しや地直しをします。
水通しについては、
入園・入学グッズ作りの疑問「生地の水通しは必要?」「水通しが必要な生地はどれ?」正しい水通しの方法をご紹介します。綺麗なハンドメイド作品を作るために。
でご紹介しています。
地直しについては、
生地にひと手間『地直し』とは?「必ず必要な作業なの?」「地直しの方法は?」綺麗な作品づくりのために役立つ知識
でご紹介しています。
ちなみに今回のニット生地は日本製で縮みの心配はあまりなかったものの、念のため水通ししています。
生地を裁断する
用尺計算時のときの要領で置いていきます。
裁断のポイント
型紙の地の目線と生地折り畳んた線を並行に配置する
ニット生地なので、一番伸びる方向がヨコにくるように地の目線をタテに裁断します(タテ地)。
このとき、型紙の地の目線と生地折り畳んた線を並行に配置します。
前衿ぐりの縫い代線を写します。
チャコペーパーをはさんでルレットするか、アイロン熱転写ペンシルを使うと便利です。
写した線で衿ぐりをカットします。
前後の身頃ができました。
続いて袖、ズボンも、衿ぐり布、(必要なら)ポケット布も裁断します。
パーツの裁断ができました。
前後衿ぐり中心と袖中心に、印つけします。
印はチャコでもノッチ(切り込み)でも、好きな方法でOKです。
接着芯・テープを貼る
接着芯を2.5cm幅で細長くカットしたものを使います。
伸び止めテープは後ろ肩のみ、接着芯はすべてのパーツの裾に貼ります。
接着芯は裾から1cm上の位置から貼ります。
テープ、接着芯を貼るときは当て布をします
縫製
パーツを組み立てていきます。
Tシャツの衿ぐり部分だけコツがいりますが、難しい作業はありません。
ポケットをつける【必要な場合】
ポケットをつける場合はこの段階で縫い付けます。
ポケットの作り方、付け方については、【子供服のアクセント】貼り付けポケットの作り方とアップリケ装飾の方法にてご紹介しています。
裾の処理をする
すべてのパーツの裾を2cmで折ります。
折った裾にロックミシン、またはジグザグミシンをかけます。
すべてのパーツを裾上げします。
端かがりの線に合わせて縫うと、この場合1.5cmくらいの縫い幅になります。
Tシャツを作る
衿ぐり布を用意します。
生地を外表にアイロンで半分に折ります。
衿ぐり布には印をつけておきます。
画像では印をわかりやすくするために下から半分に折っていますが、アイロンは上から折った方がやりやすいかもです。
衿ぐり布のサイズ、印の付け方については【製図なし超時短】ベビー子供パジャマの型紙を作る方法【ニット専用】でご紹介しています。
前身頃と後ろ身頃を中表に合わせます。
右肩のみ、縫い代1cmで縫います。
肩にロックミシン(またはジグザクミシン)をかけます。
こんな感じで片方だけ縫い合わさった形になります。
身頃衿ぐりと、衿ぐり布の印同士を合わせてマチ針で止めます。
衿ぐり布の方が短いので、こんなふうに身頃がダブついたかんじになります。
マチ針間を手で伸ばしながら、縫い代1cmで縫います。(肩の縫い代は後ろに倒します)
身頃の衿ぐりが平らになるまで伸ばして縫いましょう。
身頃まで伸ばしすぎないように注意です。
力加減に慣れるまでコツがいるかもしれませんが、がんばりましょう。
衿ぐりがキュッとなってスッキリした仕上がりになります。
縫い代にロックミシン(またはジグザグミシン)をかけます。
①:右肩同様に、左肩も前後の身頃を中表にし、縫い代1cmで縫いロックミシン(またはジグザクミシン)をかけます。
②:縫い代を後ろに倒し、ミシンで縫いとめます。
縫いとめる箇所は衿ぐり布の部分までで大丈夫です。
縫い代を縫いとめる作業は袖口や裾でも出てきますので、覚えておくとよいです
(忘れちゃっても大きな問題にはなりません)
身頃と袖を中表に合わせます。
肩山と袖山の印を合わせて縫い代1cmで縫います。
肩の縫い代は後ろに倒して縫うのを忘れずに。
①縫い代を袖側に倒します。
②縫い代は身頃側が表になるようにロックミシン(またはジグザグミシン)をかけます。
※この画像では衿ぐり布がないですが気にしないでください
袖下から脇を縫い代1cmで縫います。
袖口〜裾まで一気に縫っちゃいます。
Tシャツができました。
ズボンを作る
ズボンの生地2枚を中表に合わせます。
縫い代1cmで股上を縫います。
このとき、前ウエストの縫い代にゴム通し穴(2cm)をあけておきます。
(後ろにゴム通し穴をあけてもいいです)
右前の縫い代のみ、縫い目ギリギリまで切り込みを入れます。
切り込みを入れる箇所はウエスト布端から3cm下です(つまりウエスト出来上がり線)。
①切り込みより上の縫い代を割ります
②縫い代を左に倒し、ロックミシン(またはジグザグミシン)をかけます
ゴム通し口の周りを四角に縫います。
縫い幅は2〜3mmです。
股下を縫い代1cmで縫います。
このとき、股下の縫い代は前後で互い違いになるように倒します。
(同じ方向に重ねると縫い代が厚くなってしまうのを避けるため)
前は左側に、後ろは右側に倒します。
股下を縫うときは、前後の股上の縫い目がぴったり合うように縫えるとなお良いです。
股下を縫ったらロックミシン(またはジグザグミシン)をかけます。
ウエストの縫い代を3cmで折ります。
アイロン定規があると便利です。
ロックミシン(またはジグザグミシン)をかけます。
幅2.5cmのところでウエストをぐるりと縫います。
かがり縫いの幅の上を縫えば楽ちんです。
表はこんなかんじになりました。
2cm幅のゴムベルトを用意します。
好きな長さ+縫い代2cmです。
ゴム通しを使ってゴムを入れていきます。
ゴムの両端を1cm重ねたら〼の形に縫います。
四角だけでも、直線だけでもOKですが、ゴムが外れないように返し縫いはしっかりします。
ズボンができあがりました。
完成
今回のパジャマのデザイン画(6歳男児作)はこんなかんじでしたが・・・
完成品はこちらです。
生地が柔らかく着やすかったようで、よく着ていました。
おそろいで作ってもかわいい
おそろいにしてもかわいいです。
ポケットやパーツの色配置を変えるなどでディテールを変えてあげると楽しいです。
画像のポケットの作り方は、【子供服のアクセント】貼り付けポケットの作り方とアップリケ装飾の方法でご紹介しています。
兄弟やお友達など、おそろいで作ってみてはいかがでしょうか。
簡単な型紙の本【歩きはじめた子どものために】
ニットパジャマだけじゃなくて他のものも作ってみたい、という人のために、子ども服の本もご紹介しておきます。
文化出版局
著者:神山 二美
基本のパターン数は少ないので覚えやすく、作り方の解説が丁寧にされている
いろいろ作ってみたいけど、デザインが変わるたびにパターンも変わり作り方も変わる・・・
そうなると、熟練者ならともかく、サクッと作ってみたい人には少々忙しないですよね。
この本の80〜100まであるパターン自体は基本的にシンプルです。
それを衿やポケット、刺繍や生地などで変化をつけ、違ったものとして差別化していくデザインがこの本には多く載っています。
お洋服ってちょっとの違いでガラリと雰囲気が変わるものです。
あれこれと作り方をたくさん覚えなくていいのは作業効率アップにもつながります。
そして、作り方が図解で丁寧に記載されています。
切り込みの入れる箇所なんかも載ってるのでとてもわかりやすいのでおすすめです。
こんな方におすすめ
- 洋裁初心者の方
- 簡単に子ども服を作りたい方
- シンプルなデザインをアレンジして作りたい方
まとめ
前回の型紙作りからの流れでニットパジャマの作り方をご紹介しました。
お子さんの好きな生地を一緒に選んで、作ってみてはいかがでしょうか。
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